歯周病

歯周病とは

歯周病の発生要因

歯周病の原因はプラークの中の細菌です。

歯肉と歯の間にはポケットという1mmくらいのすき間があります。このポケットにプラークがたまり歯石をつくることで、ポケットのすき間が押し広げられます。

これにより歯肉が炎症を起こし症状が悪化すると、やがては歯を支えている骨を溶かしていきます。

プラークはブラッシングが充分でなかったり、糖分をたくさん摂取することで増えていきます。日々の生活習慣も歯周病を作り出す要因と言えるでしょう。

歯周病の原因

自覚症状

歯周病が進行すると、歯肉、歯根膜、歯槽骨などの、歯を支えている周辺組織が歯周病菌によって破壊されていきます。しかし歯周病は痛みがないため、治療が遅れがちです。歯周病が進行すると歯が揺れて噛めなくなり、最後には抜けてしまうこともあります。

大切なのは早期発見、早期治療、そして定期的な管理です。

次のような自覚症状が現れる場合は、歯周病の進行が考えられます。

  • 歯肉が赤く腫れている(健康的な歯肉はピンク色でひきしまっている)
  • 口臭が気になる
  • 朝起きたとき、口の中がネバネバする
  • ブラッシング時に出血する
  • 歯ぐきから膿が出る
  • 歯がグラグラする
  • 硬い物が噛みにくい
  • 歯肉がむずがゆい、痛い
  • 最近歯が長くなったような気がする

しばらく歯科医院に通っていないという方は、一度お口の状態をチェックしてみませんか。

無症状のうちに歯石除去等の治療を行い、健康管理をしていきましょう。

歯周病の自覚症状

歯周病と糖尿病

国内の糖尿病患者は、予備群を含めると約1,000万人(厚生労働省調べ・2017年)と言われています。

糖尿病になると身体を守る働きをする白血球の機能が低下し、歯周病に感染するリスクが高まります。

また歯ぐきは炎症を起こしやすく、歯周病は重症化しやすい傾向にあります。

歯周病の炎症により生産されるタンパク質の中にはインスリンの働きを阻害するものがあるため、歯周病患者は血糖のコントロールが難しくなります。

歯周病治療で炎症をおさめ、タンパク質の生産を抑制することで、血糖値の改善が期待できます。

歯周病と糖尿病

歯周病とタバコの関係

喫煙者は非喫煙者に比べ、ヤニなどでお口の中が不衛生になりがちです。

また喫煙により歯周病のリスクが高まり、治療しても治りにくくなることが分かっています。歯周病のリスクを下げるだけでなく、身体全体の健康のためにも禁煙に取り組んでいきましょう。

《喫煙が口腔内に与える影響》

  • 歯肉への血液の流れが悪くなり、酸素や栄養が欠乏します。また老廃物の除去がうまくいかなくなります。
  • 歯肉が硬くなるため出血などの症状が出にくくなります。症状が出ないため早期治療が遅れる原因となります。
  • 細菌と戦う白血球の防御機能が抑制され、歯周病菌が繁殖しやすくなります。
  • ニコチンは傷を治す働きまで抑えてしまうので、手術後も治りにくくなります。

歯周病とタバコの関係

歯周病は、お腹の赤ちゃんにも影響しますか?

歯周病の原因菌が血液中に入り込むことで、低体重児および早産のリスクが高まることが指摘されています。リスクは通常時の7倍で、タバコやアルコール、高齢出産のリスクよりも高い数字となっています。

特に妊娠中は原因菌が繁殖しやすい口腔環境となりますので、計画的に歯周病治療をすすめ、出産に備えましょう。

歯周病とタバコの関係

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歯周病の進行度と治療法

歯肉炎

歯ぐきに炎症が起きています。

歯を磨いたりリンゴなどをかじったりすると出血することがあります。

《治療方法》
早期発見の場合は正しい歯磨きだけで症状が改善することがあります。

歯肉炎

軽度の歯周病

ポケット(歯肉と歯の間のすき間)が広くなります。

そこから出血したり膿が出たりして口臭を感じる場合があります。

《治療方法》
歯科医院にて歯石の除去を行います。その後、歯磨きの仕方や生活習慣を改めることにより症状の改善を図ります。

軽度の歯周病

中度の歯周病

ポケットでの炎症が慢性化し、歯根膜、歯槽骨が先端部より溶けてきます。

口臭もあり歯が浮いた感じがします。強く噛むと痛みを伴い、歯がぐらついてきます。

《治療方法》
歯石の除去に加え、細菌感染によって汚染された部分も専用の器材にて清掃します。この治療で症状が改善されれば、メインテナンスに移行します。

中度の歯周病<

重度の歯周病

歯根を支えている歯槽骨がほとんど溶けてしまいます。

歯根が露出し、歯のぐらつきがひどくなり、最後には抜けてしまうこともあります。

当然、硬いものは食べられません。

《治療方法》
この状態まで進行してしまうと、手術等の外科的治療の検討が必要となります。

重度の歯周病

歯周病は予防できます

治療が終わったあとは、メインテナンスで再発を予防しましょう。

4か月に1度程度の間隔で定期検診をおすすめしています。

定期検診では口腔内チェックや各種検査、歯垢・歯石除去などの予防処置を行います。

むし歯や歯周病の予防だけでなく、白くて健康な歯を保ち、トラブルは早期発見・早期治療できるよう、当院のメインテナンスをご活用ください。

歯周病は予防できます

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予防治療

予防治療が健康の基本です

メインテナンスサイクル

これからは歯が痛くなってから歯医者に通うのではなく、無症状のうちから定期健診でむし歯・歯周病を予防していきましょう。

なぜなら自覚症状が出るということは、むし歯や歯周病がある程度進行している証拠だからです。

むし歯や歯周病は放置しておくと悪くなるばかりで、自然治癒することはありません。

無症状のうちから定期健診でお口の健康を管理できれば、むし歯や歯周病にかかっても初期の段階で見つけることができます。

ご自宅での正しいセルフケアと、4か月~半年に一度の歯科医院によるプロフェッショナルケアで、大切な歯を守りましょう。

メインテナンスの主な内容

PMTC

PMTCとは、歯科医師、歯科衛生士が行う歯のクリーニングです。

専用の器具とフッ化物入りペーストを使用して、歯の汚れを除去していきます。

むし歯や歯周病の予防管理を目的としてシステム化された、予防歯科の代表的な治療法です。

所要時間:30~60分程度

PMTC

フッ素塗布

フッ素は強い歯をつくる性質を持っています。歯に直接フッ素を塗るので、市販の歯磨剤よりも効率的に取り込むことができます。

フッ素の効果
  • 歯質の強化:エナメル質の結晶構造を変化させ、酸に溶けにくい強い歯をつくります。
  • 再石灰化の促進:酸によって溶けてしまったエナメル質を再び結晶化させる働きがあります。
  • 細菌、脱灰の抑制:菌の活動を抑制することで酸の生産を低下し、脱灰(酸によって歯が溶けること)を抑えます。

PMTC

ブラッシング

ブラッシング指導

メインテナンスの最後には、ご自宅でのセルフケアのためにブラッシング指導を行います。自己流の磨き方では、磨き残しができたり歯を痛めたりするので、正しい磨き方をマスターしましょう。歯間ブラシやデンタルフロスなど、ケアグッズの使い方もご案内します。

TEL:0475-36-2750

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